「湿度計の校正方法」と大そうなタイトルとなっていますが、ここでは湿度計や湿度計センサーが概ね正しく動いているか?をアマチュアレベルで確認する方法を考えていきたいと思います。
 厳密な「湿度計の校正方法」は、他のサイトをご参照ください。
 そもそもこの記事を書くきっかけは、ウェザーステーションISS 湿度センサーが故障したものによる事です。こちらの記事もご覧ください。
 今回は電子計測式の湿度センサーはどれ程正確に値を示しているのか?を検証します。
 その上で、先日交換したウェザーステーションISS湿度センサーは正確な値を示すのかも確認したいと思います。
 なお、ここでの湿度とは一般的に使われている相対湿度について記します。

1.様々な種類の湿度計


1.機械式(毛髪式)
 主に馬の毛や人間の毛髪などを使い、その毛に空気中の水分が含み毛の長さが変化することにより湿度計の針を示す仕組み。
 それぞれ個々の毛の性質により、測定値にばらつきがでる。
 簡易的な測定に向いていて安価となる。
 湿度表示値の間隔は粗い。

2.電子式(静電容量式)
 電子式センサーは湿度により静電容量が変化する。この静電容量を測定し、その時の湿度を算出する。
 実測値は露点温度などで計測され、そこからの計算により相対湿度を求める仕組み。
 経年変化による静電容量センサーの劣化で測定精度低下が懸念される。
 湿度表示値は1%間隔。
  
3.乾湿球式(乾湿球湿度計)
 乾球温度計(気温計)と湿球温度計(水分蒸発時の気化温度)を用い、計算式に基づいた換算表により湿度を求める仕組み。
 乾球と湿球の温度差を計算し、換算表等を使わないと湿度が分からないので手間がかかる。
 換算表よると、湿度表示値は約5%間隔。これにより湿度の表示精度は約5%になると思われる。乾湿球式は1%精度のような細かい値では湿度は求まらない。(小数点以下の乾球・湿球温度データが必要と見積もられるからだ。)
 だからと言って、示した値の信頼性が低いものとは考えられない。
 そもそもが昔からある古典的な湿度計の方式。百葉箱に設置されているのもこのタイプの湿度計になります。湿度計における気象観測の祖という感じでしょうか。

2.基準とする湿度計はどれか?

 そもそもが、電子式湿度計(ウェザーステーションISS 湿度センサー)の表示値は、概ね正しい値を示しているかを知りたい。

 ここで基準となる湿度計を次のように決めたいと思います。
 ・乾湿球湿度計
 ・精度を±5%以内

理由は
 ・機械式湿度計は個体誤差が大きい
 ・電子式湿度計はセンサーのばらつきがある可能性が排除できない(そもそも測定対象)
 ・乾湿球式湿度計は仕組みが単純で個体誤差が生じにくい

しかし、乾湿球湿度計の確さもある程度担保したいので次の項目で確認します。

3.乾湿球湿度計の測定前事前確認

・乾球温度計の温度表示
 機械式、電子式、乾球式など複数の気温計の指示値を元に、当該乾球温度計の確かさを求めてください。
・湿球温度計の温度表示
 湿球温度計の水タンクに水を入れない状態(すなわち乾燥状態で気温を計る)で乾球温度計との差を確認してください。ほぼ乾球温度計と同じ値を示していれば正常と判断できます。

 これにより、この乾湿球湿度計は一般的に正確な値を示す湿度計と判断します。この値を元に各湿度計の誤差を確認していきたいと思います。

4.基準湿度計の選定

そこで今回基準の湿度計に選んだのがこちら

佐藤計量器製作所 乾湿計 SK式1号

この乾湿球湿度計の利点
 1.乾球と湿球の温度差を計算しなくてもOK
 2.温度差メモリと赤矢印を乾球と湿球の値に合わすだけで湿度が分かる

5.測定結果

それではこのページの一番上の写真の通り測定してみました。
湿度計の各測定種類による誤差の確認です。
表一番上の乾湿球式のデータを基準値とします。

型式種類気温湿度
SATO SK式1号乾湿球式28℃70%
VantagePro2(屋内)電子式28℃70%
Switch Bot ハブ2電子式27℃67%
EMPEX TM-5506機械式27℃60%

気温
 電子式の誤差は小数点以下の処理による誤差も考えられる。
 機械式も含め概ね問題のない範囲に測定できています。
湿度
 機械式のEMPEX は予想通り誤差が少し大きいが、健闘しています。
 その他の電子式は、基準の乾湿球式と比べて大きな誤差はなく、かなり正確に測れていると感じました。

 なお、今回は各温度域や各湿度域においての誤差測定は行っていませんので厳密な意味で正確であるとは言えませんが、乾湿球式湿度計は一般的に使って概ね誤差の範囲内で、湿度の測定基準に使用して問題ないとここで結論付けます。

それでは本題です。
先日新品に交換したISSの気温・湿度センサーは正確な値を示しているのでしょうか?

ISSの気温・湿度センサーを乾湿球式計 と比較

測定結果
 ISS 29℃ 54%
 乾湿計 29℃ 52%

 気温誤差 ±0℃ 湿度誤差 +2%


ということで見事ほぼ問題ない値で計測できていることが確認できました。
ま、新品センサーなので当たり前の結果と言えばそれまでですが。
これにて、ISS気温・湿度センサーは修理完了といたします。
(^o^)/